介護基盤人材確保助成金とは?
介護事業への新規参入や、新規サービスの実施などに特定労働者(介護福祉士、社会福祉士、訪問介護員1級の資格を有し、かつ保健医療サービス又は福祉サービスの提供に従事した経験が1年以上の者、又はサービス提供責任者として実務経験1年以上の者)を新たに常勤職員として雇用した場合に、助成金が支給されます。
↓↓厚生労働省の介護基盤人材確保助成金解説ページhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/27.pdf
介護基盤人材確保助成金の受給要件は?
次の要件をすべて満たすことが必要になります。- 1、以下の介護サービスの提供を業として行う事業主であること(他の事業と兼業していても問題ありません)。
- 【介護保険法関連】
訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護、老人訪問看護
訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護
通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護 福祉用具貸与、特定福祉用具販売
夜間対応型訪問介護 認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護認 知症対応型共同生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 居宅介護支援
介護福祉施設サービス 介護保健施設サービス 介護療養施設サービス
介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション 介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護
介護予防特定施設入居者生活介護
介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売
介護予防認知症対応型通所介護 介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護 介護予防支援
【障害者自立支援法関連】
障害福祉サービス事業等
【児童福祉法関連】
知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設で行われる介護サービス
【その他】
移送サービス(介護タクシーなど)
要介護者への食事の提供(配食サービス)
その他の福祉サービス又は保健医療サービス - 2、・介護分野における新規創業、異業種から介護分野への進出、
・介護保険対象サービスに加え介護保険対象外サービスを実施、
・介護サービスに加え家事援助サービスを実施するなど
従来から実施していた介護サービスとは別の介護サービスの提供、
・支店等の増設による営業エリアの拡大、
等に伴い、新たに常勤勤務の特定労働者を雇い入れること。 - 特定労働者とは以下のいずれかの条件を満たした方のことです。
- 介護福祉士、社会福祉士、訪問介護員1級の資格を有し、かつ保健医療サービス又は福祉サービスの提供に従事した経験が1年以上の者
- サービス提供責任者として実務経験1年以上の者
- 3、過去に本助成金又は介護人材確保助成金の支給を受けた場合は、最後の支給決定日の翌日から起算して1年を経過した後、新たに対象労働者を雇い入れた事業主であること。
- 同じNPO法人でも要件を満たしていれば何度でも申請できますが、過去の申請から一定期間以上経過していることが必要です。
- 4、介護基盤人材確保助成金申請計画(助成金申請計画)や改善計画の認定を受けた事業主であること。
- 「1」の要件にあてはまる介護事業を開始する1ヶ月前までに、助成金申請に関する書類を提出し、受理されていなければいけません。つまり、介護事業を始める1ヶ月前には第一回目の申請を終えているということになります。
その他助成金獲得に必要な条件は?
- 1、雇用保険の適用事業の事業主であること。
- 本助成金の財源は雇用保険ですので、従業員を雇用したら必ず雇用保険に加入する必要があります。
- 2、認定計画に定められた計画期間の最初の日の6ケ月前の日(介護事業を始める6ヶ月前)から、支給申請を行う日までの間において、事業主都合による離職者を生じさせていない事業主であること。
- 事業主都合による解雇は厳禁です。本助成金の財源は雇用保険ですので、当然の要件といえます。
- 3、最初の特定労働者を雇い入れた日における当該事業所の雇用保険被保険者が、その日より1年を経過した時点においても、引き続きその雇用保険被保険者であることの割合が80%以上である事業主であること。
- 簡単に言えば、常勤職員の定着率(期間1年で換算)が80%以上あること、となります。
- 4、介護労働者の雇用管理に取り組むとともに、当該労働者からの相談に応じる「介護労働者雇用管理責任者」を選任し、かつ、その選任した者の氏名の周知を事業所内に掲示等することにより行なっている事業主であること。
- 介護労働者の雇用管理にきちんと取り組むことが必要になります。
- 5、出勤簿、賃金台帳、労働者名簿等の書類を整備していること。
- 従業員の雇用状況を確認する為、必ず必要です。
- 6、会計帳簿がきちんと整備されていること。領収書類の保存も必要。
- これら帳簿がないと、助成金の金額の算定ができません。
- 7、労働保険料を過去2年間を超えて滞納していない事業主であること。
- 助成金の財源となる保険料を滞納しているような事業主には助成金は支給されません。
- 8、過去3年間に助成金の不正受給を行っていないこと。
- 過去に不正受給を行っていた事業主には助成金は支給されません。
- 9、次のいずれにも該当しないこと
-
- 雇い入れ日前1年間に雇用していた者を再び雇い入れる
- 対象労働者を雇用していた事業主と密接な関係にある
- 雇い入れ日前に、
◆申請事業主において就労している(研修、見習い、手伝い、登録ヘルパー等どれも認められません。無給で手伝っていたとしてもダメです)
◆新サービス事業の立ち上げ等に携わっている(役員になっている者、出資している者)を雇用している
受給できる金額は?
介護基盤人材確保助成金は下記の金額が助成されます。
- 雇い入れの月から起算して6か月間に70万円
例を挙げて説明すると、
- ◆2008年6月1日に介護事業を開始し、同日に特定労働者を2名雇用した場合。
- この場合、特定労働者が離職しない限り、
70万円×(6ヶ月/6ヶ月)×2名
となり、140万円の助成金が交付されることになります。 - ◆2008年6月1日に介護事業を開始し、同日に特定労働者を1名雇用した。2008年10月1日に特定労働者を1名雇用し、さらに2008年12月1日に特定労働者をもう1名雇用した場合。
- この場合、特定労働者が離職しない限り、
70万円×(6ヶ月/6ヶ月)×1名=70万円
70万円×(2ヶ月/6ヶ月)×1名=23万3000円
70万円×(1ヶ月/6ヶ月)×1名=11万6000円
となり、合計104万9000円の助成金が交付されることになります。
介護基盤人材確保助成金申請時のポイント・注意点
1、介護基盤人材確保助成金は、介護事業を始める1ヶ月前までに最初の申請を済ませておく必要があります。申請期日に一日でも遅れてしまうとその後条件を満たしたとしてもアウトです。助成金は支給されません。
2、介護事業は居宅介護支援(ケアマネ事務所)を除き、1名で立ち上げることはできません。従って、かなりの確率で、介護事業基盤人材確保助成金の人員要件を満たすことになります。
3、よって、介護事業を行われる方は、特定労働者に該当される方を最初から雇用される場合はもちろん、特定労働者にあたる方を最初は雇用しない場合でも、できるだけ本助成金の申請を行っていてください。介護事業は1名では実施できません。一番手軽に立ち上げできる訪問介護事業所でも最低4名の人員で立ち上げることになります。実際のところ4名では事業実施は不可能ですので、絶えず求人募集を行っていくことになります。求人応募者の中に「特定労働者」の要件を満たされた方が含まれる可能性は結構高いのです。
助成金の申請のお考えの皆様へ
※助成金は「必ず支給される」というものではありません。上記に記載しているのはあくまで「申請を行う為の条件」です。申請が受理された後に審査が行われ、支給の可否が決定されます。
※助成金はすぐに支給されるものではありません。NPO法人を設立したり、従業員を雇用してから約1年〜1年半後の支給となります。よって開業資金のアテにはできません。「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。
※助成金で支給される金額は「実際に支払った経費以下(1/2とか1/3など)」です。無理して支給要件にあてはめても損するだけです。下手をすると助成金支給まで会社がもちません。
※助成金の獲得には膨大な事務作業を必要とします。助成金を取得するには必ず「雇用保険・労災保険」に加入しなければいけません。給与の支払いを証明する為に給与台帳等をきちんと整備し保存しなければいけませんし、経費の支払いを証明する為に会計帳簿・領収書類の整備、保存も必要です。これら作業をすべて外注してしまうと助成金としてもらえる金額以上に経費がかかることも考えられます。
助成金まとめ
助成金の支給金額をアテに事業展開するのではなく、あくまで「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。
ただし、支給されたときの喜びは何とも言えないものがあります。
仮に100万円が助成金として支給されたとしましょう。
本業で100万円の利益を出すにはどれだけ働かないといけないか・・・
それが申請するだけで(その作業が大変なのですが)もらえてしまうのですから。。。
・NPOが利用できる企業向けの助成金
・介護事業を始められる際の助成金
・その他の金融機関
・自治体の融資制度
NPO法人設立時にオススメ!
◆NPO法人設立時のオススメサイト
・NPO法人の作り方
おそらく日本一詳しく設立方法について掲載しています
◆介護事業立ち上げ時のオススメサイト
・介護事業のはじめかた
かなり詳しく介護事業立ち上げについて掲載しています
・訪問介護のはじめかた
訪問介護事業所に特化して開業方法を掲載しています